今回の記事で言う「優しい人」とは、心から優しいかどうかではなく
穏便な対応を取る人、おとなしい人、怒りをあらわにしない人など
実際の心の内はわからないけど一時的なものではなく、いつも変わらず対応が優しい人という観点でのお話です。
優しい人や、おとなしい人が何か迷惑行為をしたのなら、強い言い方をしなければいけないほどの悪いことをしたのなら、相手が優しい人かどうかは関係なく、言うべきことは言っても良いと思います。
しかし、そのような必要がないものに、相手が優しい人だから・おとなしい人だから、この人には何を言ってもいいだろう、何をやってもいいだろうという理由だったら、優しい人や、おとなしい人ほど怒らせないほうが自身に良いと思います。
この人じゃなくても・おとなしい人じゃなくても、他の人が同じことをした時にも自分は同じことを言うだろうかと考えたほうが後にトラブルに発展するリスクを軽減できます。
なぜ優しい人を怒らせてはいけないのか
なぜ、優しい人を怒らせてはいけないのかというと
誰がされても嫌なことは、優しい人だって嫌だと思っているからです。
そして優しい人は色んなリスクの可能性を考えた結果に無難であろう、ストレートには言わずに「自分が嫌だと思うことを相手がそうできないようにすること」で対処します。
なぜそうするのかというと「一度言ったことは絶対に取り消せないから」です。
内心迷惑に思っていても、やんわりと言ったつもりが角を立ててしまうリスクもあります、どうしても言わなければ伝わらないのであれば言葉にすることもあるかもしれませんが
極力、以下のように相手を変えようとせずに自分が動いて対処します。
- 本来入ってはいけない場所に入ってくる人がいたら鍵をかける、物を置く
- 距離を取りたい相手とは八合わないように可能ならルートや時間をずらす
- 特定の人を指す言い方をせずに対象人物は一人でも全員に向けた言い方をする
言わなければいけないのだとしても「一人にだけ言うわけじゃなくて全員にそうしています」というスタンスを取ります。
相手が優しいから、おとなしいからといって人を軽んじてはいけない
優しい人、おとなしい人は何を言ってもやっても、怒らない・関係も悪くならない・「ごめんね」と言えばなんでも許してくれるだろう・嫌とすら思っていないだろうと、人のことを「軽んじてくる人」がいます。そのような人の中には物事をこなす能力が高くて空気も読めて人間関係もうまくいって友人もたくさんいるような人も多く、「今まで順調だったから自信がある」ゆえに人を軽んじる発言や行動をしてしまい、優しい人やおとなしい人を怒らせるリスクを知らない場合もあります。
今まで立場が良かったから「まかり通ってきた」、相手がフェードアウトで離れていったから気づかなかった(返信を遅くして少しずつやり取りの間隔を長くしていく、返信はするけど何度お出かけを提案されても用事があると言って断るなど)、当時は通用する時代だったなど、以前ならたまたまうまく回っていたのかもしれませんが
誰がされても嫌なことは誰でもされたら嫌だと感じることはいつの時代でも同じです、たまたまその当時に立場が良かったから通用しただけです。
一度離れてしまった優しい人との関係を修復することは難しい

優しい人やおとなしい人に図々しい要求をしたり、「この人になら何をいっても大丈夫」と思って何度もつけいるなどして怒らせないほうがいい理由は
優しい人が離れていった時ほど、一度壊れた人間関係を修復することは難しいからです。
優しい人は「ただ離れる」ことを選ぶので、関係が悪くなることによって何か日常に支障が出るようなデメリットが起きることは特にないと思います。用件にも応じないようなことはなく、嫌がらせもなく、ただ仲良く会話できる相手が一人減るだけです。
しかし元通りの関係に戻ることは非常に難しいです。
困ることは特にありませんが関係を修復することは非常に難しいため、関係を悪くしたくないのであれば最初から角を立てないほうが賢明です。
接点を極力避けて謝罪する機会すらないかもしれないし、
ごめんねと謝っても、話しかけても、思い当たることを改善しても、表面上は「いいよ」「気にしないで」と返ってきたとしても、一度離れた距離は保たれたまま変わることはないということも珍しくはないと思います。
優しいからって、おとなしいからって、相手を下に見ていた当時は「この人と関係を悪くしても何も困らない」と思っていても今後いつどこで関わることになるかわからないから、角を立てなくても済むものに角を立てないほうが自分の行動範囲も狭まらず、自身に良いのではないでしょうか。
小さなことや、一度や二度のことで離れたのではなく、何度も積み重なる蓄積、又は、あまりに大きな迷惑をかけた時に優しい人は黙って去ります。
日頃から行動も判断も常に慎重なので、一度決めた決意は固く、そう簡単には揺らぎません。
優しい人は言いたいことを言えないのではなく、あえて言わない

色んな可能性を考えて普段から言葉や行動を慎重に選ぶゆえに
優しい人は言えないのではなく、言わないのですよね。
言ってしまうのは簡単だけど、一度言ってしまったことは絶対に取り消すことができないから、「ごめんね」って謝って「いいよ」と返ってきたのだとしても言ったことが消えたわけじゃないから、言い方や言った内容によって角を立ててしまった時に一度壊れてしまった関係から修復することは困難だから、相手にああしてくださいこうしてくださいという言葉を発するよりも可能な限りは自分側が動いて対処する方法を考えます。
それを、おとなしい人・言えない人なのだと解釈して高を括って言いたい放題言っていると、気づいたら相手が離れていて修復不可の関係になっています。
誰がされても嫌なことは、いかなる相手にもやってはならない
いつも優しいからっておとなしいからって、嫌とも思わないだろうとか後でごめんねと言えば済むなど甘く考えずに、誰に対しても「誰がされても嫌なこと」はしないほうが、背負わなくて済むことができたはずのリスクを軽減できて自身に良いと思います。
誰が言われても嫌なことは誰でも言われたら嫌でしょう。
その場でストレートに表現する人と、色んなリスクを考えて無難に無難を貫いた結果が表には出さず自分側の行動で対処する人が存在して、対処方法が違うだけです。嫌なことをされたら嫌だと思うのは、両者とも同じです。